バイクと私 4 〜起きてしまった事故〜
今から30年ほど前、ノリと勢いで草レース的な単気筒レースにホンダFT400でエントリー。
おきまりの改造をすれば、あとは根性のみでした。
年明けにレースを控えて、クリスマスイブに筑波サーキットで練習走行。
当時の勤務先は某自動車ディーラーだったのですが、年末商戦真っ最中に代休をとっていそいそとサーキットへ。
いやぁ、調子が良かったのでしょうね。いいタイムでラップを重ねて行きました。
本線通過目標タイムまであと少し。
直線で抜かれる大型バイクもコーナーでぶっこぬき。
はい、調子に乗っていました。
事件はその時起きました。
最終コーナーへ膨らみながら侵入する癖を発見したカワサキFX750に対して、少し空いたイン側からオーバースピード気味での侵入。
狙い通り、FXの前に出る。
いつもよりバンクさせ、エンジンの回転も早い。
けれども愛車FTにしてみれば、許容範囲だったと思う。
クリップポイントを乱暴に開けたアクセルに、愛車は敏感に反応してくれた。
マックススピードフルバンク状態から、フロントが浮き始めて抑え込む技術がなかった私。
体内に何か物質が分泌されて全てがスローモーションになり、路面がどんどん近ずいてくる。
ガッシャ〜〜〜〜〜ン!!!!
全身に伝わる衝撃と痛み。
遠心力でコースの外に飛ばされて生きます。
ヘルメット越しに聞こえる大きなガリガリ音。
路面と擦れるレーシングスーツ
後続車にひかれないことを祈るしかできない次の瞬間、味わったことのない衝撃が
ズドン!!!!
クラッシュパッドに突っ込みました。
「死んだかな????」
暗闇と感覚のない体がそう思わせたかもしれない。
おそるおそる指を、手を、足を。呼吸していることが確認できました。
少しずつ状況がわかってきて、大きな大きなクラッシュパッドの下に潜り込んでいたようでした。
のろのろとたはいだし、よろよろと立ち上がり。
無残にな姿になったバイクを呆然と見つめるのが精一杯でした。
つづく