バイクと私 1 〜まだバイクへの封印は解かれませんでした〜
私は一度、大好きだったバイクから、あることをきっかけに降りました。
毎月買っていた雑誌「RIDERS CLUB」を購読するのをやめ、街ですれ違うバイクに振り向くこともなく、乗りたいと言う欲望と興味は一瞬で封印されたかのように思えました。
そうしなければいけなかった理由は後ほどにするとして、意外とあっさりやめられました。
それから二十数年の時を経て、民間車検場を経営していたこともあり、知人のハーレーの車検依頼を受けることに。
限定解除を…
はい、二輪は中型免許のみです。
断り続けていたのですが、ガキの頃からの先輩Y氏に「限定解除行って、俺のハーレーの車検とってね」と言われてしえば、決して逆らうことなんてできません。
仕事のためだと自分に言い聞かせながら、教習所に大型免許を取りに行くことに。
ええ、二十数年ぶりに乗るバイクは、ものすごく楽しいです。
封印が解けそうになるのをグッとこらえて、優等生を演じながらの教習もいよいよ卒業検定の日を迎えました。
一緒に通っていた仲間が、
「俺、実はもうハーレー注文しちゃったんですよ」
「合格してドカ乗ります」
なんて会話をしている中、
「長屋さん、何買うんですか? やっぱりハーレーですか?」
と問われた私は
「いや、買わないよ。アッシんちは民間車検場なのよ。検査でロードテストするから仕方なくね…テヘッ」
と作り笑顔で答えました。
この時ですら全くバイクに乗るとは思っていないし、ましてや買ってしまうとは…
この時点での封印は守られました。
続く